大切なのは適材適所

当社は伝導部品全般を取り扱っていますが、主力商品と言えばこれまでの記事にも出てきましたようにベアリング、そしてベルト全般です。

ベルトと言っても服飾用品の腰に巻くベルトではございません。機械部品の方です。プーリーと呼ばれる2つの車輪に掛けて動力を伝える帯状の部品がベルト。一般の方ですと自動車のファンベルトが一番身近でしょうか?ボンネットを開けると回っているのがすぐ見つけられると思います。

余談ですが、たまに朝のエンジン始動時や信号待ちの停車から発進時にキュルキュルとけたたましい音を立てているクルマがいますよね。あれはまさに劣化で細くなったファンベルトがズレて音を立てています。ベルト鳴き止めスプレーで応急処置も可能ですが、劣化が進行するとウォーターポンプが停止してエンジンのオーバーヒートを引き起こすので早めの交換がいいですよ。部品代も工賃もそんなに高い箇所では無いはずですので。

さて、そんなベルト売りである私ですが、だいたい店にいらっしゃるお客様は以下のようにおっしゃいます。

「○の○○番を○本くれ」

これは全然間違っていません。ご自身で交換しようとした際に現品に書いてあったのか、それとも整備書に書いてあったのかわかりませんが、ベルトは規格で決まっているのでどこのメーカーが出しているものでもサイスは同じです。

例えば上の○に数字を当てはめてみましょう。

「Bの48番を1本くれ」

Bというのはプーリー(車輪)の溝の幅の規格で、つまり適用するベルトの太さになります。BのプーリーにA型のベルトは細すぎて空回りするし、C型は太すぎてはまりません。48番というのは長さになります。48インチ、つまり1219.mm。先ほども申し上げた通りこれは規格ですので、どこのメーカーのものを購入しても、どこのお店や通販サイトで買ってもこの数字さえわかれば購入できます。

ただし、同じB-48のベルトでも以下のように種類があります。

一番上が標準品。二番目が強化品。三番目が農機具用ベルト。四番目が農機具用ベルト強化品。五番目がコグベルトといって内周に歯を付けることによって耐屈曲性に優れたもの。

 

 

小プーリー、つまり短いベルトでも曲げロスが少なくなって高効率に作られたものです。これからのシーズンですと草刈り機によく出ますね。

さて「B-48と言ってもたくさんあるんですよねぇ」とお客様に意地悪を言いたいわけではありません。ただ、私どもや整備士の方でしたらB-48にも種類がたくさんあることは知っていますが、お客様に取っては目の前にあるご自身の機械についている、もしくは整備書に書いてあるB-48がご自身に必要なベルトの規格ですから、同規格の中でも種類がたくさんあることなんてご存じないことがほとんどです。

だからいつもここから私のヒアリングタイムになるんですが「何にお使いですか?」でだいたい見当はつきますのであまり問題ではありません。

問題なのはメーカーで指定されたこと以外の交換をする場合です。

例えば強化品指定箇所に標準品を使うとか、3本掛けプーリーで切れた1本だけ交換するとかですね。

特に後者はよくないですね。3本のうち1本だけ交換すると、他の2本も同じように劣化して伸びているので、結果的に新品の1本の力だけで回すことになりますのでベルトだけではなくあちこちに負担が掛かります。

もちろん予算を含むお客様それぞれの事情がございますから無理強いは出来ませんし「来年機械を買い替えるから1シーズンだけもてばいいんだ」という理由の方もいらっしゃいましたから、そういった場合は廃棄する機械にそれほど予算は掛けられないという気持ちは十分わかります。

ただ私は専門業者ですので「売って!」「はい、わかりました!」というのは少し危険なんですね。正しい商品を正しく使ってもらいたいわけです。そうじゃないと「小川商会でベルト買ったらすぐ切れた!」ということになりかねませんので。

少々堅苦しいことを書きましたが、ベルト購入の際に一番いいのは交換する古いベルトを持ってきてもらうのが一番話が早いですね。そうすればそれと同等品が欲しいのか、もっと長持ちするのが欲しいのか、少し短いのが欲しいのかと言ったように基準があるとこちらも提案がしやすいです。

とにかくベルトは消耗品です。長く使えば寿命が必ず来ます。最初に書いた自動車のファンベルトの話でもあるように、消耗品の交換を怠ると必ず他の部分に負担が来て、結果高額修理に至ります。

とにかく機械は勝手に治りません。もしお手元の機械に何か少しでも不安がある場合は、お近くの修理店にご相談することをお奨めいたします。

ではまた。

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